バンドブレーキを使わない坂道発進
バンドブレーキを使わない坂道発進
マニュアル車で普通免許を取る人が第二段階から本格的に練習するのが、バンドブレーキを使わない坂道発進。ハンドブレーキを使った坂道発進は、第一段階の修了検定の課題になっているので難なくできる人も多いと思います。
ハンドブレーキを使わない坂道発進は、ハンドブレーキを使うよりも格段に難しくなります。マニュアル車の運転操作の中でも、最も難しいテクニックと言っても過言ではないでしょう。今回はマニュアル車のハンドブレーキを使わない坂道発進のコツを説明していますので、第二段階の技能教習の参考にしてください。
まずは、ハンドブレーキを使わない坂道発進はそもそもどういうものなのか。そのやり方はそのままですが、坂道発進をハンドブレーキを使わずアクセルペダルとクラッチペダルの操作だけで発進させるテクニックになります。
そんなのブレーキを離した瞬間に後ろに下がってしまうのでは?と驚くと思いますが、ハンドブレーキを使わない坂道発進は後ろに下がりながら坂道発進になるのです。よく教習生の人が「ハンドブレーキを使わない坂道発進を、後ろに下がらないようにするにはどうしたらいいんですか?」と聞かせることがあります。
ハンドブレーキを使わない坂道発進は、どう頑張っても後ろに下がります。元々、後ろに下がりながら坂道発進させるテクニックなんですね。したがって、ハンドブレーキを使わない坂道発進はあまりにもこう配がきつい坂では使えません。卒業検定においても坂道発進する時に、1m以上後ろに下がってしまうと危険行為で失格になりますので、使う場所にも注意が必要です。
それでは、実際の手順を見ていきましょう。
①ブレーキペダルを離す
②アクセルペダルを強く踏む
③半クラッチを作る
手順だけ見ると簡単そうですよね。でも、実際にやってみるとブレーキペダルを離した瞬間に、車が後ろに下がる感覚にとても恐怖を感じると思います。ポイントはまず②のアクセルペダルを踏む量です。ハンドブレーキを使った坂道発進のようにアクセルペダルを強めに踏み込む必要があります。
ただ、ハンドブレーキを使った坂道発進のように、時間をかけてアクセルペダルを調節することは出来ませんので素早く行う必要があります。慣れないうちは必要な量を素早く踏むことはなかなか難しいので、どちらかというとアクセルペダルは踏み過ぎるくらいがちょうど良いです。アクセルペダルの踏み過ぎも良くありませんが、アクセルが足りずにエンストしてしまうと元も子もありません。
③のクラッチペダルの操作は、半クラッチの位置まで一気にペダルを戻すのがコツです。クラッチペダルを最初からゆっくり戻してしまう教習生がたまにいますが、それではあっという間に後ろに下がってしまいます。
クラッチペダルはおおよそ半分くらいはクラッチが全く繋がっていない部分があるので、その部分を一気に飛ばすことが素早く坂道発進させるコツです。また、段々と操作に慣れてきたらアクセルペダルとクラッチペダルの操作を同時に行えるようになると、より素早く坂道発進できるようになります。
今回はハンドブレーキを使わない坂道発進を説明していきましたが、苦手としている人も多いと思います。でも、卒業検定ではこの坂道発進は課題には入っていませんので、そこまで恐れる必要はありません。教習中はもし坂道発進に失敗しても助手席にいる指導員が補助ブレーキをかけてくれますので、失敗を恐れず思い切ってやることが上達の秘訣です。