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マニュアル車の構造を理解しよう

マニュアル車の構造を理解しよう

普通免許をマニュアル免許で取ろうと自動車学校に入校した方は、技能教習で初めてマニュアル車を運転した時にその難しさにビックリした方も多いと思います。マニュアル車はオートマチック車と違って操作がとても複雑なので、単純にたくさん練習すればその分上達するというものでもありません。

マニュアル車を上手に運転できるようになるには、まずはマニュアル車の構造や仕組みを論理的に理解することが大切です。今回はマニュアル車について説明していきますので、技能教習の参考にしてください。

まずはマニュアル車の構造から見ていきましょう。車にはその動力となるエンジンなどが付いていますが、そのエンジンからの動力がどのようにタイヤに伝わって車が動いているのか。マニュアル車の場合、エンジンとタイヤの間には「クラッチ」と「トランスミッション」呼ばれる2つの部品が付いています。このクラッチとトランスミッションがエンジンからの動力をタイヤの方へ伝えたり、切り離したりする役割があります。

まずは「トランスミッション」から見ていきましょう。これは自転車でイメージすると分かりやすいです。みなさんも変速機付きの自転車に乗ったことがある方も多いと思いますが、トランスミッションはギア(歯車)の組み合わせを変えて、車の力や速度を変えたり、バックさせたりする役割があります。

そのトランスミッションを動かすのがチェンジレバー。マニュアル車のチェンジレバーには1速(ローギア)、2速(セカンドギア)、3速(サードギア)、4速(トップギア)、5速(オーバートップギア)、バックギア、ニュートラルがあります。

1速~5速までが前進用のギアでバックギアは後退用になります。ニュートラルはどのギアにも嚙み合っていない状態。ニュートラルはどこにもギアが嚙み合っていない状態なので、アクセルペダルを踏んでも全く動きません。ニュートラルは停車する時やエンジンをかけたりする時に使います。

ギアによって「力」と「速度」のバランスが変わるのが特徴です。例えば、1速(ローギア)は一番力が強いです。なので、最初に発進する時や上り坂で発進する時に使います。1速は力は強いですが、速度が遅いのが特徴です。1速でずっと走り続けると最初の出だしは速いですが、その後はアクセルペダルを踏んでも全然速度が出ません。

変速機付きの自転車でイメージしても分かりやすいと思いますが、自転車でいうと1速はペダルが一番軽いギアになります。一番軽いギアはペダルを一生懸命漕いでも全然前に進みませんよね。その感覚が1速のイメージになります。

それに対して、2速(セカンドギア)は1速よりは力が弱くなりますが、速度は1速よりも速く走ることができます。なので、1速で発進させて少しスピードに乗ったら2速に変えていきます。この時、2速から発進はできないの?と考えた方もいると思いますが、2速で発進することはできないことはないです。ただ、1速に比べて力が弱いので、発進するまでに時間がかかってしまうんですね。さらに別の記事でも説明しますが、エンジンに負担がかかってエンストもしやすくなります。

次の3速(サードギア)は2速よりは力が弱くなりますが、速度は2速よりも速く走ることができます。なので、2速でさらにスピードを上げて3速に変えていきます。このようにギアが1速から5速まで上げっていくと「力」と「速度」のバランスが逆転していくのが特徴です。

自分が自動車学校で働いていた時も、このギアの特徴を「動物」に例えて教習生によく説明していました。1速は象、2速は馬、3速はチーターといった具合です。象は力があるが体が重いので、スピードがあまり出ません。馬は象よりは力が弱いが、象よりも速く走ることができるという感じです。

今度は「クラッチ」の役割になります。クラッチはエンジンからの動力を先程のトランスミッションに伝えたり、切り離したりする役割があります。クラッチの部分がくっついている時は、エンジンの動力がトランスミッションに伝わりタイヤも回転します。反対にクラッチの部分が離れている時は、エンジンの動力はトランスミッションに伝わらなくなり、タイヤも回転しません。マニュアル車はこのクラッチを使って発進したり、止まったりしているんですね。

そのクラッチを操作するのが「クラッチペダル」になります。マニュアル車の運転席の足元には3つのペダルがありますが、一番左側のペダルがクラッチペダル。左足で操作し、クラッチペダルを全部踏み込むとクラッチが離れてエンジンからの動力も切れます。反対にクラッチペダルを戻していくと、段々とクラッチが近づいて動力が伝わり始める構造になっています。

特に知っておいて欲しいことは、エンジンからの動力が「クラッチ」と「トランスミッション」の2か所で切れたり繋がったりすることです。

例えば、「トランスミッション」の部分でニュートラルにしておけば、エンジンからの動力は伝わらないのでクラッチペダルを戻してクラッチをくっつけても車は動きません。反対に走行中にクラッチペダルを踏んでしまうと、たとえトランスミッションを3速にしてアクセルペダルを踏んでも、エンジンからの動力は切れているので車はどんどんスピードが落ちていきます。

運転席からはこのクラッチやトランスミッションが見えないのでイメージしづらいと思いますが、見えない部分を見えているように想像して操作することがとても大切です。マニュアル車が苦手という方も、まずはマニュアル車の仕組みや構造から勉強することから始めてみましょう。