学科教習について学科試験について第2段階について

二輪車に関する学科問題が難しい

二輪車に関する学科問題が難しい

第二段階の学科教習から二輪車に関する内容が出てきます。普通免許で免許を取ろうとしている方にとってはなぜ二輪車の内容を勉強しなきゃいけないの?と疑問を感じた方も多いと思います。実は学科教習は四輪車と二輪車が一緒になっているので、関係のない二輪車の内容も勉強しなければならないのです。

厄介なのは学科試験でも二輪車の内容が出題されやすいこと。普通免許を取る方にとっては教習で原付くらいしか乗らないので、どうしても二輪車の内容は理解しにくいです。
今回は二輪車の内容について分かりやすく説明していきますので、学科試験の勉強の参考にしてください。

まずは二輪車の特性から見ていきましょう。みなさんも普段から自転車に乗っている人も多いと思いますが、基本的には二輪車は自転車と変わらないです。二輪車の特性には「停止すれば安定を失う」「体で安定を保ちながら走行する」という2つの特性があります。

二輪車は自転車と同じで車輪が2つしか付いていないので、何もしなければ倒れてしまいますよね。倒れないようにするためには止まっている時は両足で支える必要がありますし、動いている時は走り続ける必要があります。自転車でイメージすると分かりやすいですが、スピードを出している時は自転車はまっすぐ進みとても安定していますよね。でも。スピードを落としてしまうと急にふらついてまっすぐ走れなくなりますよね?二輪車を倒れないように安定させるためには、ある程度のスピードが必要ということです。

さらに二輪車の安定を保つためにはスピードを出すだけでなく、体の重さを利用することも大切です。特に使うのは上半身の体重移動。例えば、四輪車で曲がりたい時はハンドルを回しますが、自転車で曲がりたい時はハンドルを回すという感覚ではないですよね?自転車で曲がりたい時はハンドルを回すのではなく、自転車を曲がりたい方向に傾けて曲がっていきます。

ではどうやって自転車を傾けるのか?それが上半身の体重移動になるのです。この「停止すれば安定を失う」「体で安定を保ちながら走行する」という二輪車の2つの特性を理解すると、二輪車の内容も理解しやすくなります。

それでは二輪車の内容を見ていきましょう。まずは「正しい乗車姿勢」について。覚えるべき部分はMT車(マニュアル車)の部分になります。

ステップに土踏まずを乗せて、足の裏がほぼ水平になるようにします。また、足先がまっすぐ前方に向くようにして、タンクを両ひざでしめます。

② 手首を下げて、ハンドルを前に押すような気持ちでグリップを軽く持ちます。

③ 肩の力を抜き、ひじをわずかにまげます。

背すじを伸ばし、視線は先の方へ向けます。

最初のポイントは「ステップに土踏まずを乗せて」の部分。ステップとは二輪車にまたがった時に足を乗せる部分になります。自転車でいうとペダルになります。土踏まずは足の裏のくぼみの部分。

土を踏まないという名前だけに地面に密着しない部分になります。なぜ土踏まずの部分をステップに乗せるか?それは足がズレ落ちないようにするため。よくあるひっかけ問題が「土踏まず」の部分を「かかと」と変えることです。かかとではズレ落ちてしまいやすいので危険です。

次のポイントは「足先がまっすぐ前方にむくように」「タンクを両ひざでしめます」という部分。まずタンクはガソリンが入った燃料タンクのこと。両ひざでタンクをしめることによって車体から体が振り落とされにくくなります。これを「ニーグリップ」と言います。

 

そして、ニーグリップするためには「足先がまっすぐ前方にむくように」する必要があります。反対に上の図のように足先を開いてしまうことがNGで、足先を開いた状態だとニーグリップがやりにくくなります。

もう一つのポイントは「背すじを伸ばし」の部分。よくあるひっかけ問題が「背すじを伸ばし」の部分を「前傾姿勢」や「前のめり」と変えることです。風の抵抗などを考えると、前傾姿勢や前のめりの方が良いように思えますが、ブレーキをかけた時に上半身が慣性の力によって前方向にひっぱられるのでバランスを崩しやすいという欠点があります。

 

次は、二輪車の車種の選び方についてです。二輪車は自転車と違って大きいものだと重さが200kg近くになるものがあったり、自転車のようにシートの高さを調節できなかったりするので自分の体格にあった車種を選びことが大切です。

① 平地でセンタースタンドを立てることが楽にできること。

② 二輪車にまたがったとき、両足のつま先が地面にとどくこと。

③ 8の字型に押して歩くことが完全にできること。

この3つの中で特に問題に出題されやすいのが「両足のつま先が地面にとどくこと」の部分。「両足」の部分を「片足」と変えてくることがあります。先程も言いましたが、車体の重さが200kg近くになるものもあるので、片足では支えきれません。

今度はカーブ走行のしかたについてです。まずは文章を見ていきましょう。

① カーブに近づくときは、その手前の直線部分であらかじめ十分速度を落とし、カーブの途中では、クラッチは切らないで、車輪にエンジンの力をかけて走行しましょう。

② まがるときは、ハンドルを切るのではなく、車体を傾ける(バンクする)ことによって自然にまがるようにしましょう。

③ 道路の右側部分にはみ出さないようにします。また、対向車がはみ出してくることがあるので、注意が必要です。

④ まがりかどやカーブでは、前の車を追い越してはいけません。

ポイントは「クラッチは切らないで」という部分。クラッチって何?と思った方はオートマチック免許を取ろうとしている方だと思います。クラッチはマニュアル車にしかない装置になります。クラッチは上の図のようにエンジンからの回転をタイヤの方に伝えたり、切り離したりする役割があります。

クラッチの部分がくっついている時は、エンジンの回転がタイヤに伝わりタイヤも回転します。反対にクラッチの部分が離れている時は、エンジンの回転はタイヤに伝わらなくなり、タイヤも回転しません。マニュアル車はこのクラッチを使って発進したり、止まったりしているんです。

では、「クラッチを切らないで」という状態はどちらの状態なのか?答えはクラッチがくっついていてタイヤが回転している状態を指しています。二輪車がカーブを走行する時はなぜクラッチを切らない方が良いのか。それはスピードになります。

一番最初に二輪車の特性の部分で説明しましたが、二輪車には「停止すれば安定を失う」という特性がありましたよね?カーブを走行する時も、スピードが落ちてしまうと車体が不安定になるのです。クラッチを切らないでタイヤにエンジンの回転を伝え、スピードを出し続けた状態の方が車体が安定するということです。反対にクラッチを切ってしまうと、タイヤにエンジンの回転が伝わらなくなり、スピードが落ちて車体が不安定になるということですね。

次はブレーキのかけ方になります。二輪車のブレーキのかけ方にはつぎの3つがあります。

① ブレーキレバーを使う前輪ブレーキ
② ブレーキペダルまたはブレーキレバーを使う後輪ブレーキ
③ スロットルのもどし、またはシフトダウン(低速ギアに入れること)によるエンジンブレーキ

まずは自転車で考えてみると分かりやすいです。自転車の場合はハンドルの右側に付いているブレーキレバーは前輪ブレーキを操作します。左側のブレーキレバーは後輪ブレーキを操作します。原付やオートマチックのバイクのブレーキ操作は、自転車と同じ仕組みになっています。

しかし、マニュアル車のバイクは、右側のブレーキレバーが前輪ブレーキというのは自転車と同じですが、後輪ブレーキを操作するのは右足に付いているブレーキペダルを使います。「ブレーキペダルまたはブレーキレバーを使う後輪ブレーキ」と後輪ブレーキだけペダルとレバーの2種類になっているのはそのためです。

それから、「スロットル」という言葉も出てきていますが、スロットルは四輪車でいうと「アクセルペダル」に当たります。「スロットルのもどし」というのは四輪車に置き換えると「アクセルペダルをもどす」ということ。アクセルペダルをもどすとスピードがゆっくり落ちていきますよね?それが「エンジンブレーキ」になります。

最後はブレーキをかけるときの注意になります。二輪車はとても不安定な乗り物になるので、路面の状況に合わせてブレーキのかけ方を変える必要があります。二輪車に関する内容の中でもこの部分が分かりにくく苦手としている方が多いです。なぜそうするのか?その理由をよく理解することが覚えるポイントになります。

① ブレーキをかけるときは車体を垂直に保ち、ハンドルを切らない状態で、エンジンブレーキをきかせながら前・後輪のブレーキを同時にかけましょう。このとき乗車姿勢を正しく保たないと前のめりになります。

乾燥した路面でブレーキをかけるときは前輪ブレーキをやや強く、路面がすべりやすいときは後輪ブレーキをやや強くかけましょう。

エンジンブレーキは、低速ギアになるほど制動力が大きくなります。しかし、ギアをいきなり高速からローに入れると、エンジンをいためたり転倒したりするおそれがあるので、順序よくシフトダウンしましょう。

④ 急ブレーキをかけると車輪の回転が止まり、横すべりを起こす原因になります。ブレーキは数回に分けて使いましょう。

ここでもポイントはまず「前・後輪のブレーキを同時」という部分。前輪ブレーキだけ、後輪ブレーキだけという感じで片方だけのブレーキは、ブレーキの効きも悪くバランスも崩しやすいです。

そして、一番分かりにくいのが「乾燥した路面でブレーキをかけるときは前輪ブレーキをやや強く、路面がすべりやすいときは後輪ブレーキをやや強くかけましょう」という部分になります。

ポイントは「走行している時」と「ブレーキをかけている時」の前輪と後輪にかかる重さのバランスの違いになります。例えば、走行している時は前輪と後輪にかかる重さはほぼ均等になります。それに対して、ブレーキをかけている時は慣性の力によって車体が進んでいる方向に引っ張られる状態になります。それによって、車体の重心が前に移動して前輪にかかる重さが増えて、反対に後輪にかかる重さが減ります。

この前輪と後輪にかかる重さの変化がポイントになります。ブレーキをかけている時は前輪にかかる重さが増えることによってタイヤと路面との接地力(踏ん張る力)が大きくなり、反対に後輪にかかる重さが減ることによってタイヤと路面との接地力(踏ん張る力)が小さくなります。

このことによって、接地力の大きくなった前輪はブレーキを強くかけてもタイヤはスリップしにくいですが、接地力の小さくなった後輪はブレーキを強くかけてしまうとタイヤはスリップしてしまいます。そのため、「乾燥した路面でブレーキをかけるときは前輪ブレーキをやや強く」というのはこれが理由になります。


それでは、「路面がすべりやすいときは後輪ブレーキをやや強くかけましょう」というのはどういうことか。雨や雪などで路面がすべりやすいときは、ちょっとしたブレーキでもスリップして転倒する危険があります。では、二輪車がブレーキをかける時に前輪と後輪のどちらがスリップしてしまうと転倒しやすいのか。

答えは前輪になります。なぜかというと、ブレーキをかけている時は前輪に車体の重さが集中しているからです。重心の乗っている前輪がスリップすると、一気にバランスと崩して転倒してしまうので、重心の乗っていない後輪をメインでブレーキをかけるのはそのためです。

最後に「エンジンブレーキは、低速ギアになるほど制動力が大きくなります」という部分を見ていきましょう。エンジンブレーキは普通車でいうと、走行中にアクセルペダルをゆるめるとゆっくりスピードが落ちていく力のことでしたね。

「低速ギア」という言葉が分かりにくいと思いますが、まずはオートマチック車で考えてみましょう。オートマチック車のチェンジレバーで前に進むポジションは、D(ドライブレンジ)・2(セカンドレンジ)・L(ローレンジ)があります。車種によって2やLの名称がSやBとなっているものもあります。

オートマチック車でいうと、Dが一番エンジンブレーキが弱く、アクセルペダルをゆるめてもなかなかスピードは落ちていかないです。Dのエンジンブレーキの制動力(ブレーキの力)は小さいとも言えます。

反対に、Lは一番エンジンブレーキが強く、アクセルペダルをゆるめると一気にスピードが落ちていきます。Lのエンジンブレーキの制動力は大きいとも言えます。このLが「低速ギア」に当たります。

次にマニュアル車で考えてみましょう。マニュアル車には1速(ローギア)・2速(セカンドギア)・3速(サードギア)・4速(トップギア)・5速(オーバートップギア)とあります。マニュアル車は最初に1速で発進して、速度が上がるにつれて1速→2速→3速とギア変えていきます。(これをシフトアップと言います)

反対に、速度が下がるにつれて3速→2速→1速と変えていきます。(これをシフトダウンと言います)マニュアル車の場合は、5速が一番エンジンブレーキが弱く、アクセルペダルをゆるめてもなかなかスピードは落ちていかないです。逆に1速が一番エンジンブレーキが強く、アクセルペダルをゆるめると一気にスピードが落ちていきます。マニュアル車の場合は1速が「低速ギア」に当たりますね。

今回は二輪車に関する内容を説明していきましたが、特にオートマチック車で免許を取ろうとしている方にとっては「クラッチ」や「低速ギア」と言った部分は相当分かりにくいと思います。ただし、学科の問題としても二輪車に関する問題がたくさん出題される訳ではないのでそこまで恐れる必要はありません。勉強に余裕がある方はこういった部分も得意分野にしておくと、効果測定や本免学科試験の合格にぐっと近づくと思います。