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路上での停車ってどうやるの?

路上での停車ってどうやるの?

路上教習の中盤くらいから、道路の左端に停車する練習が始まります。卒業検定においても「路端への停車及び発進」という課題があり、停車と発進はそれぞれ2回ずつ行うことになります。今回は停車と発進の手順やその注意点などを紹介していきますので、技能教習の参考にしてください。

【駐停車禁止場所に注意】

まずは停車する場所に注意しましょう。卒業検定の時には検定員から「停車可能な場所に停車してください」と指示されます。停車可能な場所って何?と思ったかもしれませんが、道路上には停車が禁止されている場所があるんですね。

学科教習でも習いますが、駐停車禁止場所は全部で10か所あります。特に覚えて欲しいのが「交差点と、その端から5m以内」と「横断歩道の前後5m以内」の場所になります。5mという距離感が分かりにくいと思いますが、普通自動車1台がおおよそ5mになりますので、教習車1台分とイメージしましょう。

また、停車は禁止されていないですが、停車すると周りの迷惑になりやすいのが「駐車場の出入口」の場所になります。卒業検定の場合はどこに停めるかまでは細かく指示してくれませんので、停車する場所には十分注意して停めるようにしましょう。


【合図と確認の方法】

停車は道路の左端に車を寄せて停めるので、車線変更などと同じで「進路変更」になります。必要なのが左合図と安全確認(ルームミラー、左ドアミラー・目視)になります。特に気を付けて欲しいのは、合図のタイミングです。進路変更の合図のタイミングは、「進路を変えようとするときの約3秒前」となっています。

ちょっと分かりにくい表現ですが、要するに左合図を出して早々に左側に寄せ始めてはダメということですね。左合図を出してから、周りにしっかりアピールした後で寄せ始めるのが効果的ということです。

一般ドライバーの場合、停車する時にいきなりハザードランプを付けてしまうドライバーも多いですが、卒業検定の場合だと左合図を出していないことになりますのでマネしないようにしましょう。進路変更の手順に関しては、こちらの記事も参考にしてください。

【道路の左端に寄せる】

合図と安全確認をした後に、道路の左端に寄せていきます。この時のポイントは道路のどの部分に寄せるかという点です。大きく分けると、「歩道がある道路」と「路側帯のある道路」で停車の方法が変わってきます。

〔路側帯のある道路〕

路側帯というのは、歩道がない道路で歩行者などが安全に通行できるように設けられた部分になります。道路の端にある白線によって仕切られた部分が路側帯になります。路側帯は歩行者などが通行する場所になるので、基本的には停車する時は路側帯の中に入ってはいけません。停車する時は路側帯の白線に沿うように停車させます。

ちなみに上のイラストのように、路側帯には白の実線1本のタイプ(路側帯)と、実線2本のタイプ(歩行者用路側帯)、実線1本と破線1本のタイプ(駐停車禁止路側帯)の3種類があります。この3つの路側帯の違いは、「路側帯の中は軽車両(自転車など)が通行できるかできないか」、「駐停車する時は路側帯の中に入れるか入れないか」になります。

停車に関して、実線1本のタイプの路側帯だけは例外のパターンがあります。路側帯の幅が0.75mを越える場合は0.75mの余地をあければ、路側帯の中に入って停車することがOKとなっています。反対に2本のタイプ(歩行者用路側帯、駐停車禁止路側帯)の路側帯は、路側帯の幅が0.75mを越える場合でも路側帯の中に入って停車することはNGです。

ここまで説明してみなさんも気づいたと思いますが、路側帯に関するルールはあまりにもややこし過ぎます(^^;)しかも、このルールは難しさ故に一般ドライバーにも全然浸透していません。なので、「路側帯の中には停車していけない」とシンプルに覚えた方が現実的で得策だと思います。ただし、学科試験ではよく出題される内容なので、これまた厄介な部部ですね。

〔歩道のある道路〕

歩道のある道路では、歩道の中に入って停車してはいけません。歩道にある縁石やガードレールに沿って停車させてください。この時に気を付けて欲しいのが、上の写真のように、歩道の横に路側帯のような白線が引かれている場合があります。

この白線は「車道外側線」といって、単なる区切りの線になりますので路側帯ではありません。この車道外側線の中も車道になりますので、こういった場所で停車する時は写真のように車道外側線の中に入って停車してもOKです。ちなみに、交差点を左折する時にあらかじめ道路の左端に寄せると思いますが、その時にもこの車道外側線の中に入って寄せてもOKです。


【どれくらい寄せるのか?】

今度は、停車する時にはどのくらい寄せる必要があるのかを見ていきましょう。第一段階の時にも発着場所に停車させる課題があったと思いますが、実はそれとまるっきり同じ要領になります。

歩道がある道路の場合は縁石に、路側帯がある道路の場合は白線に対して車体を寄せていきます。その縁石や白線に車体の左側を30cm未満に近づける必要があります。卒業検定だと、縁石などと車体が30cm以上離れてしまうと減点になります。

この時に気を付けて欲しいのは、縁石などに対して車体が斜めになり過ぎた場合も減点になるので、できる限り縁石などと車体が平行になるように微調整してください。ポイントは30cm未満に寄せればクリアなので、決してギリギリを攻める必要はないということです。

それから、車体の左側の感覚に自信がない人も多いと思います。車体の左側の感覚をつかむコツは、運転席からの見え方をある程度覚えておくこと。例えば、上の写真は車体の左側に白線をおおむね20cm空けた状態で止めてあります。下の写真はそれを運転席から見た状態になりますが、運転席から見た場合に先程の白線が運転席のダッシュボードの真ん中辺りに重なってみえるのが特徴です。

また、下の写真はその状態を左ドアミラーで見たものですが、ドアミラーで見ると白線と車体がどれくらい離れているのかも分かります。最初は運転席からの見え方である程度左端に寄せていって、スピードが落ちてきた所で左ドアミラーを見てどのくらい寄っているかを確認して微調整するのがオススメです。

【停車した後の手順】

停車した後の手順は、自動車学校によってかなりの違いがあるのが特徴です。したがって、今回私が教える手順はあくまでもただの模範なので、操作の順番に関しては自動車学校のやり方に合わせるのが無難です。ちなみに卒業検定の場合だと、停車の手順については操作の順番が異なっていても減点はありません。

① 左合図を消す

停車したらまずは左合図を消しましょう。先にハザードランプをつけてしまうと、左合図がちゃんと消せたかどうか分かりにくいので、先に左合図を消すのがオススメです。ちなみに左合図を消し忘れても減点にはなりません。

② ハザードランプをつける

停車していることを周りの車に知らせるため、ハザードランプをつけましょう。ハザードランプをつける時に意識して欲しいのは、できるだけ早くつけること。周りの車にとっては、停車しようとしている車の動きは左折しようといる車の動きと勘違いされやすいです。

③ 駐車ブレーキをかける

卒業検定やみきわめなどで緊張していると、駐車ブレーキの存在を忘れがちです。それから、「停める時は駐車ブレーキとチェンジレバー、どっちが先ですか?」というのはよく聞かれる質問ですが、どちらが先でも後でも卒業検定だと不問です。また、運転教本には駐車ブレーキが先と書かれていますが、これといった明確な理由はありません。

④ パーキングレンジにする

マニュアル車の場合はニュートラルギア、オートマチック車の場合はパーキングレンジに入れます。停車後すぐに発進するので、エンジンを切る必要はありません。

⑤ ブレーキペダルは踏んだまま

駐車ブレーキをかけているのに、ブレーキペダルを踏む必要なんてあるの?と思うかもしれませんが、「路端への停車及び発進」というのは道路上で人を乗せたり降ろしたりする想定となっています。

したがって、乗り降りしている状態で車が動きだしてしまう危険がないように、駐車ブレーキだけでなくブレーキペダルもしっかりと踏んだ状態が理想となっています。ちなみに卒業検定だとブレーキペダルを踏んでいなくても減点にはならないので、そこまで細かく指導していない自動車学校もあります。

【発進の手順】

発進の手順も停車の手順と同様に、自動車学校によってかなりの違いがあるのが特徴です。したがって、今回私が教える手順はあくまでもただの模範なので、操作の順番に関しても自動車学校のやり方に合わせるのが無難です。卒業検定の場合も、やはり発進の手順については操作の順番が異なっていても減点はありません。

① ドライブレンジにする

マニュアル車の場合はローギア、オートマチック車の場合はドライブレンジに入れます。

② 駐車ブレーキを解除

停車の時と同様に緊張していると、駐車ブレーキの存在を忘れがちです。

③ 後続車の確認

ハザードランプを消す前に発進の準備を先に整えておくと、スムーズに発進しやすくなります。

④ ハザードランプを消す

後続車がいる場合は、後続車がいなくなってからハザードランプを消すのが無難です。反対に後続車がいるのにハザードランプを消して右合図を出してしまうと、後続車の車にとっては「発進するのかな?」と余計な混乱を招きやすいです。

⑤ 右合図を出す

発進した後に右合図を消すのを忘れやすいです。合図はハンドルを半回転以上回さないと自動で戻らないようになっていますので、発進の後は合図が出しっぱなしになることが多いです。

⑥ 後続車の確認

発進する前に、最後にもう一度後続車の確認をしましょう。発進の安全確認のポイントは、確認の方法が「直接目視」となっているという点です。ドアミラーやルームミラーだけでは減点になってしまうので注意してください。ちなみに発進の安全確認の回数は1回だけでもOKです。

今回は「路端への停車及び発進」という課題について見ていきましたが、ただ車を停車させるだけなのですが意外にやることが多くて細かいのが特徴です。卒業検定の時に、何かを忘れたとしても大きな減点になることはないので、極端に恐れる必要はありません。

手順が複雑なので苦手としている人も多いと思いますが、みきわめや卒業検定前にイメージトレーニングをしておくとスムーズにできると思います。

  【学科試験に出た問題を教えてください】