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進路変更ってどうやるの?

進路変更ってどうやるの?

今回のテーマである「進路変更」は、技能教習でも学科教習でも出てくる重要な内容になります。技能教習では第一段階の3~4時限目辺りから練習することになりますが、そのやり方がいまいちよく分からない、上手く進路変更できないという人も多いのではないでしょうか。今回は進路変更について、そのやり方やコツ、よくある疑問などを説明していきますので、技能教習や学科教習の参考にしてください。

【そもそも進路変更って何?】

「進路」と聞いてパッとイメージするのは、中学や高校を卒業した後の「進路」ではないでしょうか。自動車学校で出てくる進路とは、走行中の車の位置のことを指しています。進路変更とは、走行しながら右や左へ移動することを意味しています。では、車を運転している時にどんな場合に進路変更が必要になってくるのか?

一番分かりやすいのは、上のイラストのように車線を変えたい場合。同じ方向に2車線以上ある道路では、前の車を追い越したい場合や交差点を右折したい場合などは車線を右側に変えなければなりません。車線変更とも言いますが、これが一番イメージしやすいと思います。

それ以外にも、所内コースにある発着場所に停車したり、発進したりするのも進路変更になりますし、交差点を右左折するために道路の左端や中央線に車を寄せると思いますが、そういった寄せる動きも進路変更になります。

【安全確認と死角】

進路変更をする時にやらなきゃいけないことは「安全確認」と「合図」になります。走行しながら進路を変える訳なので、周りに車がいないか確認して進路変更をすることを周りに知らせる必要がありますよね。

まずは安全確認になりますが、修了検定や卒業検定の時には、「進路を変えようとする場合に、直接目視及びバックミラーにより、変えようとする側方及び後方の安全を確認しない時」に減点となるようになっています。

ポイントは、「直接目視及びバックミラー」となっているので「直接目視」と「バックミラー」の両方の安全確認が必要ということ。バックミラーはルームミラーとドアミラーのことになりますが、「変えようとする側方及び後方の安全を確認」しなければならないので、例えば、右側に進路変更する時は「ルームミラー」と「右ドアミラー」そして「直接目視」になります。

それから、「直接目視」というのは要するにミラーではなく自分の目で安全確認をしなければならないということです。なぜ、ミラーで後ろを確認しているのに直接目視が必要なのか。これは学科教習でもその内容が出てきますが、ルームミラーやドアミラーには写っていない部分があるんですね。上の図のように、右斜め後ろと左斜め後ろがミラーには写っていません。ちなみに直接目視といっても、後ろを振り返って確認する必要まではありません。運転席の窓、あるいは助手席の窓を見る程度で十分死角は確認できます。

安全確認をまとめるとこんな感じです。

〔右側に進路変更する場合〕

ルームミラー

右ドアミラー

右側の目視(運転席の窓を見る感じ)

〔左側に進路変更する場合〕

ルームミラー

左ドアミラー

左側の目視(助手席の窓を見る感じ)

【合図の出し方】

進路変更の合図のタイミングは、「進路を変えようとするときの約3秒前」となっています。これが非常に分かりにくい表現ですよね。要するに合図を出してすぐに進路を変えてはダメと思ってください。この3秒という時間は、周りの車に進路変更の合図に気付いてもらうための時間なんですね。

ここで気を付けて欲しいのは、交差点を右左折する時の合図のタイミング。交差点を右左折する時の合図は、「右左折しようとする交差点から30メートル手前の地点に達したとき」となっています。進路変更と交差点の合図のタイミングが、ごっちゃになりやすいので注意してください。


【よくある疑問】

・合図が先?確認が先?

結論から言うと、修了検定や卒業検定ではその順番は特に問われません。順番はどちらが先でも後でも適切なタイミングで合図が出していて、安全確認もバックミラーと目視を行っていれば減点にはなりません。

ただし、自動車学校の方針で、進路変更の手順がカッチリ統一されている場合があります。よくあるパターンが以下のような感じです。自動車学校でやり方が決められている場合はそれに従うのが無難ですね。

(一例)
ルームミラー

合図3秒

ドアミラーと直接目視

進路変更


・やることが多過ぎて出来ない

所内コースの場合だとコースがとても狭いので、進路変更の合図や安全確認は大忙しですよね。所内コースの場合は物理的に無理がありますので、できる範囲でやってもらえばOKです。修了検定でもそういった部分は、ちゃんと考慮して採点されますので大丈夫です。
路上教習になると道路も広くなるので余裕をもって出来ますが、所内コースの段階では合図や安全確認が形だけになってしまうのは仕方ないと思った方が良いですね。


・駐車車両を避ける場合は合図を出すの?

駐車車両などの障害物を避ける動きも進路変更になりますので、ルール上は合図が必要になります。しかし、上のイラストのように、駐車車両を避ける時の合図が周りの車に勘違いされてしまうことが割と多いです。

駐車車両を避ける側としては、「駐車車両を避けますよ」という意味で合図を出したつもりが、周りの車にはどこかを右左折する合図に勘違いされてしまうことがあります。このように本来合図を出さなきゃいけない場面でも、合図をあえて出さない方が安全だったりする場合もあるんですね。

この駐車車両を避ける場面で、合図を出した方が良いのか、あるいは出さない方が良いのかというのは昔から意見が分かれていて、一般ドライバーでさえも合図を出したり出さなかったりとその対応がバラバラです。自動車学校によってもその考え方が違ったりするので、これもやはり自動車学校の方針に合わせるのが無難だと思いますね。

今回は進路変更について説明していきましたが、そのルールが分かりにくかったり、操作が難しかったりと苦手としている人も多いと思います。漠然とやっているとなかなか上達しなかったりしますので、何がポイントなのかをしっかりと理解して練習に臨んでみてください。

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