加速チェンジと減速チェンジのコツ

加速チェンジと減速チェンジのコツ

普通免許をマニュアル免許で取ろうとしている方が、苦戦しやすいのがこの加速チェンジと減速チェンジではないでしょうか。今回は加速チェンジと減速チェンジのコツを紹介していきますが、予備知識として「クラッチ」や「トランスミッション」などの知識が必要なのでその辺りがよく分かっていない方は下記の記事を先に読んでおいてください。

「マニュアル車の構造を理解しよう」

まずはマニュアル車のチェンジレバーについてですが、チェンジレバーには1速(ローギア)、2速(セカンドギア)、3速(サードギア)、4速(トップギア)、5速(オーバートップギア)、バックギア、ニュートラルがあります。

ギアによって「力」と「速度」のバランスが変わるのが特徴です。例えば、1速(ローギア)は一番力が強いです。なので、最初に発進する時や上り坂で発進する時に使います。1速は力は強いですが、速度が遅いのが特徴です。1速でずっと走り続けると最初の出だしは速いですが、その後はアクセルペダルを踏んでも全然速度が出ません。

それに対して、2速(セカンドギア)は1速よりは力が弱くなりますが、速度は1速よりも速く走ることができます。なので、1速で発進させて少しスピードに乗ったら2速に変えていきます。この時、2速から発進はできないの?と考えた方もいると思いますが、2速で発進することはできないことはないです。ただ、1速に比べて力が弱いので、発進するまでに時間がかかってしまうんですね。

次の3速(サードギア)は2速よりは力が弱くなりますが、速度は2速よりも速く走ることができます。なので、2速でさらにスピードを上げて3速に変えていきます。このようにギアが1速から5速まで上げっていくと「力」と「速度」のバランスが逆転していくのが特徴です。

このように、車の速度に合わせて自分でギアを変えていくのがマニュアル車の特徴なのですが、実際のギアのチェンジ操作を見ていきましょう。まずはローギアからセカンドギアの加速チェンジになります。

セカンドギアにチェンジする速度は10~20km/hになりますが、ローギアで発進してすぐに変えるようなタイミングになります。ギアチェンジする時は、クラッチペダルを踏むと同時にアクセルペダルを戻していきます。

この時、アクセルペダルを戻すのを忘れてしまう教習生が多いです。アクセルペダルを踏みっぱなしでクラッチペダルだけ踏んでしまうと、エンジンが空ぶかし状態になり「ヴォーーーン」と爆音が出てしまうので注意してください。

クラッチペダルを踏むと同時にアクセルペダルを戻したら、次にギアをローギアからセカンドギアに変えます。この時のコツは、チェンジレバーを少し左側に押しながらチェンジするとセカンドギアに入りやすいです。

今度はセカンドギアに入れ終わった後のペダル操作。クラッチペダルを戻しながらアクセルペダルを軽く踏んでいきます。クラッチペダルを馴染ませるようにゆっくり戻すのがポイントです。クラッチペダルを一気に離して戻してしまうと、エンジンの回転とタイヤの回転の差が激しすぎて車がガタついてしまったり、エンストしてしまったりします。

また、クラッチペダルを戻す時にアクセルペダルを少し踏むことも大切です。アクセルペダルを踏まずにクラッチペダルだけを戻してしまうと、エンジンの回転が遅すぎてクラッチを繋いだ時にスピードが落ちてしまいます。

それから、クラッチペダルの戻し方にもコツがあります。ローギアからセカンドギアの場合はクラッチペダルをゆっくり戻しますが、ギアがサードギア(3速)、トップギア(4速)と上がるにつれて素早く戻してもキレイにクラッチが繋がる特徴があります。

このチェンジ操作もなかなか慣れないと思いますが、最初は時間がかかってもいいのでゆっくり丁寧にやるように心掛けると良いです。また、チェンジ操作のコツは、クラッチペダルとアクセルペダルの動きが、まるでシーソーのように逆の動きをするのも大きな特徴です。

今度はセカンドギアからサードギアになります。サードギアにチェンジする速度は15~30km/hになりますが、セカンドギアで少し加速してからチェンジするタイミングになります。

サードギアに変える時に、操作ミスでオーバートップ(5速)に入ってしまう教習生が多いです。その原因は力の入れ過ぎ。サードギアに変える時のコツは、ニュートラルの位置を上手く利用することです。

セカンドギアの位置から少しギアを上に上げるだけで、チャレンジレバーがニュートラルの位置に戻ろうとする力があります。そのニュートラルからチェンジレバーを真上に上げるとサードギアになります。なので、チェンジレバーを2回、上に持ち上げるように動かすとサードギアに確実に変えられます。

今度は減速チェンジになります。減速チェンジは、速度が落ちた時にそれに合わせてギアを下げていく操作になります。減速チェンジをする速度の目安は以下のようになります。

減速チェンジの操作は加速チェンジとほとんど同じですが、大きなポイントは最初にブレーキペダルを踏んで速度を落とし、それからギアチェンジをすること。これもよく先にギアチェンジをして、それからブレーキペダルを踏んで速度を落とす教習生がいます。

これは実際にやってみるとよく分かるのですが、減速チェンジする時に先にチェンジ操作をしてしまうと、強いエンジンブレーキがかかってしまって急激に速度が落ちてしまいます。

それから、減速チェンジに関しては3速⇒1速といった感じでとびこしてギアを変えることもあります。例えば、サードギア(3速)で走行していて赤信号で止まる場合、サードギアのまま止まって、次の発進に備えてローギアに変えるという手順になります。

今回は加速チェンジと減速チェンジについて説明していきましたが、チェンジ操作はその手順も多く複雑なので、スムーズに出来るようになるにはかなりの練習が必要になります。何度も失敗すると嫌になってしまうと思いますが、最初から上手く出来る人はいませんので、根気よく練習に取り組むことが大切です。

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