指導員によって言うことが違うんですけど??

指導員によって言うことが違うんですけど??

多くの自動車学校が技能教習を担当する指導員については随時制を採用しているので、技能教習の時の指導員は毎回違ってくると思います。担当する指導員が毎回違ってくると問題になってくるのが「指導員によって言うことが違う」ではないでしょうか。前の指導員が言った通りに運転していたら、別の指導員に注意されてしまったというのは自動車学校あるあるの一つだと思います。今回はそもそも指導員によって言うことが違ってくるのはなぜなのか?また、教習生の立場としてはそれをどう対処すれば良いのか。元指導員として詳しく解説していきますので、是非参考にしてください。

まずは、そもそも指導員によって言うことが違ってくるのはなぜなのか。結論から先に言うと、その原因は指導員同士のコミュニケーション不足によるものです。指導員も一人の人間なので、指導員よって車の運転に対する考え方が違ったり、教え方にもかなりの差があります。

例えば、カーブの走行一つにしても、「スピードをしっかり落とす」「目線を先に向ける」「ハンドル操作は一気に回さない」といった具合にカーブを上手く曲がるためのポイントがたくさんあります。「カーブを上手く曲がる」という同じ目標でも、そこに辿り着くまでのアプローチの仕方がいくつもあるので、自然と指導員によって言うことがバラバラになってしまいます。

そういった教え方のバラつきを少なくするのに有効なのがコミュニケーションなのです。指導員同士がお互いに普段どのような教え方をしているのかをよく知ることがとても重要になってきます。しかし、その指導員同士のコミュニケーションの障害となってくるのが、指導員のプライドの高さと技能教習特有のマンツーマン教習。自動車学校の指導員というのは自分の教え方や運転技術に自信を持っている方が多く、それ故にプライドも高いです。さらに、技能教習は一人で仕事をすることが多いので、指導員同士のコミュニケーションがどうしても不足しがちになります。

そういった指導員同士のコミュニケーション不足を解消するため、多くの自動車学校が技能教習を担当している指導員を集めて定期的に研修をしたり、教え方を統一させるためのマニュアル本を作成したりしています。ただ、そういった研修やマニュアル本にも限界がありますので、そのしわ寄せが教習生を苦しませる結果となってしまっているのが現状だと思います。

では、教習生の立場としてはそれをどう対処すれば良いのか?まずは一番NGなことは「前の指導員にはこういう風に運転するように言われましたけど?」と発言することです。先程も言いましたが、指導員というのはプライドが高い生き物です。そのプライドを傷つけるような発言は指導員の機嫌を損ねることになるので、その後の教習がどんな雰囲気になるかは想像できますよね。指導員を敵に回してもろくなことはありません。ではどうすれば良いのか。「ただの自動車学校あるある」ということで、気にしないことが一番良い方法です。

例えば、よくあるのが進路変更の手順。合図を出してから安全確認をするのか、それとも安全確認をしてから合図を出すのか。これも指導員によって意見が結構分かれます。答えはどちらでも良いです。なぜなら、技能検定ではそこまで細かいことは採点の範囲となっていないのです。安全確認と合図の両方をちゃんと行っていれば、その順番なんて全然関係ないのです。要するに細かいことは気にしなくてOK。技能教習の時に前の指導員とは違うこと言われることがあると思いますが、細かいことは気にせずその担当の指導員の言う通りにしましょう。技能検定はそれなりに運転出来ていれば合格できますので、完璧を求めなくても全然大丈夫です。


どうしても気になってしまうという方におすすめなのが指導員の指名制です。全ての自動車学校に指名制がある訳ではありませんが、技能教習の担当指導員を指名できる自動車学校が多くあります。技能教習を担当する指導員が毎回違うという随時制を根本的に変えてしまおうという発想ですね。指名制がある自動車学校に通っている方は活用してみてください。

それから、もう一つのおすすめは、迷った時は運転教本通りに運転すること。運転教本は自動車学校に入校した時にもらったと思いますが、多くの指導員がこの運転教本を使って教習をしてします。「前の指導員にはこういう風に運転するように言われましたけど?」と発言するよりも「運転教本にはこう書いてありましたけど?」と発言した方が指導員もそれに対して反論はしづらいものです。プライドの高い指導員もさすがに運転教本に書いてあることを否定することはできないですね。

今回は「指導員によって言うことが違う」というテーマで説明していきましたが、これは自動車学校の永遠のテーマになってくるのではないでしょうか。私が働いていた自動車学校でもこういった問題を解決するために頻繁に研修を行ったり、問題のある指導員を個別に教育したりしていましたがなかなか思うように解決しないことが多かったですね。少し違うかもしれませんが、この問題は「学校のいじめ」に近い物がある気がします。誰もがダメなものだと分かっていても、それを変えることができない。結局、そのしわ寄せは弱い者に向けられてしまう。人間という生き物自体に大きな欠陥があるのかもしれません。

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