車の運転向いてないかも!?
車の運転向いてないかも!?
自動車学校に通い始めて初めての技能教習の時、車の運転の難しさに驚いた人も多いと思います。カーブを曲がろうとしても思い通りにいかなくてぶつかりそうになったり、派手に脱輪してしまったり、挙句の果てには担当の指導員にため息をつかれてしまったりと散々な目にあった方もいると思います。
今までは助手席で家族や友達が簡単そうに運転しているのを見ているだけに「車の運転なんて誰でも出来て当然」と軽く見ていた人も多いのではないでしょうか。車の運転というのは、傍から見るのと実際にやるのとでは全然違いますよね。
そのため、教習を始めたばかりの頃に自分の運転の出来なさに「私って車の運転向いてないのかな・・・」と思い込んでしまう教習生がとても多いです。「車の運転は元々難しいもの」「最初は上手くいかないのが当然」と車の運転に対して必要以上に苦手意識を持ち過ぎないことが大切です。
それから、技能教習には「最短時限」というものがあります。普通免許のマニュアル免許の場合だと第一段階が15時限(オートマ免許は12時限)、第二段階は19時限(オートマ免許も19時限)が最短時限になります。この最短時限というのはあくまでも「この時限数は最低でも教習を受けなければならない」という決まりであって、決して「この時限数が標準の時限数」という訳ではないんですね。
実際に私が働いていた自動車学校でも、最短時限で教習を終えられる教習生は少なく、最短時限より平均2~3時限余分に教習を受ける教習生ばかりでした。技能教習が途中で補習になってしまったり、みきわめがなかなか通らなかったりすると、自分の運転に自信がなくなってしまうと思いますが、最短時限で終わらないのが普通だと思ってください。
それと「どれだけ練習しても自分の運転に自信が持てない」という教習生も多いと思います。「運転に自信がなくて検定が不安」「免許を取った後に一人で運転できるのか心配」と思っている人も多いのではないでしょうか。
実は、教習生が運転に自信を持ってないのは当たり前のことなんですね。なぜかというと、それは自動車学校で車を運転する時間が圧倒的に少ないから。先程も最短時限の話をしましたが、自動車学校を卒業するまでに運転する時間は30時限くらいでしたよね。これはあまりにも少ないんですね。こんな短い時間ですぐにベテランドライバーのような運転ができるはずないですよね。
車の運転というのは運転技術よりも運転経験がとても重要で、それを身に付けるには何年もかかり、自動車学校の教習だけでは全く足りません。なので、自動車学校に通っている段階では、自分の運転に自信が持てないのが当たり前という訳なんですね。
ここまで、「車の運転に向いてない」という話をしてきましたが、反対に車の運転に向いている人というのはどういった人なのかというのも気になると思います。運動神経が良い人、頭が良い人など運転に向いていそうな要素が色々とありますが、長年運転を教える仕事している私も何が関係しているか分からないのが正直な所です。
今までにもスポーツ万能な人、名門大学に通っている人など才能に溢れた教習生をたくさん見てきましたが、車の運転となると全然ダメという人は普通にいました。また、その逆で運動音痴な人、勉強嫌いな人でも、車の運転になると人が変わったかのようにその才能を発揮する人もいました。車の運転というのは本当に不思議なものですよね。
ただ、一つ言えるのは車の運転は「経験」がモノを言うジャンルだと思います。どんなに優秀な教習生でも、運転技術に関しては何十年と運転しているドライバーには敵いません。車の運転の上手い下手は才能の有無ではなく、経験をどれだけ積んでいるかの違いだけだと私は思います。
最後になりますが、車の運転がなかなか上達しなくて悩んでいる教習生の人もきっと多いと思いますが、教習生本人が「私は車の運転に向いてない・・・」と投げやりになってしまうと、どれだけ練習しても上達はしにくいものです。車の運転は練習した分だけ確実に上達していきますが、教習生自身のやる気もとても重要です。まずは自分自身を信じてあげることから始めてみましょう。
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